日本では、ジェネリック医薬品に関する情報開示が進み、数年前から原薬の原産国表示が実施されるようになりました。しかし、ふと疑問に思ったのは、アメリカやヨーロッパで使用されている原薬とその原産国は、日本のトレンドと異なるのだろうか? という点です。海外のジェネリック医薬品市場における原薬の供給状況を知ることは、製薬業界に携わる者にとって大きな意味を持ちます。しかし、調査を進める中で、すぐに大きな壁にぶつかりました。
情報はあるが、データが膨大
アメリカFDA(食品医薬品局)やヨーロッパEDQM(欧州医薬品品質庁)のホームページでは、原薬に関する情報が公開されています。しかし、問題は原薬の原産国が直接表示されていないこと。企業名は掲載されていますが、その企業がどの国に拠点を持ち、どこで原薬を製造しているのかは、一つ一つ調べなければ分かりません。
さらに、FDAのデータは1万件を超える膨大な量。
「このデータを1件ずつ検索していくのは、気が遠くなる作業だ……」と感じました。
そこで、効率的に調査を進める方法として、Pythonなどのプログラムを活用できないかと考えました。
Pythonを使う? でも経験ゼロ……
Pythonはデータ処理や自動化に適したプログラミング言語として知られています。しかし、正直なところ、Pythonという単語は知っているものの、実際に使ったことはありません。
「さて、どうしたものか……」と悩んでいたとき、ふと思いついたのがChatGPTの活用でした。
ChatGPTに聞いてみたら、とんでもなく有能だった
最近のChatGPTは、スクリーンショットをアップロードして状況を説明すれば、適切なアドバイスをくれる機能を持っています。
「これはいい機会だ」と思い、早速ChatGPTに相談してみました。
すると――
✔ 的確なアドバイスをくれる
✔ 複数の方法を提案してくれる
✔ 分からないことを聞けば、さらに分かりやすく説明してくれる
まさに「とんでもなく有能」。
さらに、土日でも即座に対応してくれるため、「今すぐ知りたい!」というニーズにもピッタリでした。
実際にChatGPTを使って調査を進める
ChatGPTのアドバイスをもとに、以下の方法で原産国調査を自動化することに成功しました。
- エクセルファイル内の企業名を抽出
- Google検索を1件ずつ自動実行(企業名を入力し、関連情報を収集)
- 企業の公式サイトや登録情報をもとに国名をピックアップ
これにより、膨大なデータを短時間で整理し、原薬の供給トレンドを分析する手がかりを得ることができました。
もちろん、完璧なデータを求める場合は、追加の検証作業が必要になるかもしれません。しかし、トレンド分析として活用するには十分な精度を確保できています。
ChatGPT活用の注意点
ChatGPTを使う上で気になるのは、提供した情報が外部に漏れないかという点です。
今回は、公に公開されているデータのみを使用したため、機密情報の心配はありませんでした。しかし、社内データを活用する場合は、情報管理に十分注意する必要があります。
✔ 社内の運用ルールを確認する
✔ 機密情報を直接入力しない
✔ 必要に応じてプライバシー設定を活用する
このような対策を取ることで、安全にChatGPTを活用することができます。
AIを活用し、より効率的なデータ分析を
今回の原薬原産国調査を通じて、ChatGPTの強力なサポートを実感しました。
**「データを活用し、より効率的に分析を進めたい」**というニーズに対し、ChatGPTは非常に有用なツールとなります。
✔ 膨大なデータを処理する手間を省く
✔ 適切な方法を提案し、実行をサポートする
✔ 時間を大幅に短縮し、トレンド分析を容易にする
製薬業界でも、データ分析の重要性はますます高まっています。
今後も、ChatGPTやPythonなどの技術を活用しながら、より良いデータ活用の方法を模索していきたいと思います。
コメントを残す