前回は、BCPの基本要素とリスクアセスメントについて解説しました。今回は、BCPの中でも特に重要なサプライチェーンマネジメントについて考えていきます。
■サプライチェーンリスクの把握
近年の事業環境において、サプライチェーンリスクは多様化しています:
自然災害
取引先の被災
物流ルートの寸断
港湾機能の停止
地政学的リスク
国際情勢の変化
輸出入規制
為替変動
パンデミック
生産活動の停止
物流の混乱
需要変動
■リスク評価のポイント
サプライチェーンの脆弱性を評価する際の重要点:
取引先の分析
調達先の地理的集中
代替供給元の有無
取引先の財務状況
調達先のリスクマネジメントへの取り組み状況
物流経路の検証
輸送ルートの複線化
倉庫・物流拠点の分散
輸送手段の代替性
■具体的な対策
調達戦略の見直し
複数の調達先確保
地域分散化
在庫水準の最適化
情報管理の強化
サプライヤー情報のデータベース化
リアルタイムな在庫把握
早期警戒システムの構築
パートナーシップの強化
取引先との情報共有
共同BCP策定
定期的な状況確認
■実効性を高めるポイント
定期的な見直し
サプライヤー評価の更新
リスク対策の検証
新規リスクへの対応
コミュニケーション計画
緊急時の連絡体制
情報共有の仕組み
代替手段の確保
訓練・演習の実施
シナリオベースの演習
関係者との合同訓練
課題の洗い出し
■次のステップ
サプライチェーンの強靭化は、継続的な取り組みが必要です。次回は「BCPを機能させるための組織づくり」として、実効性のある体制構築について解説します。
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