医薬品の供給不足、その解消時期はいつになるのか
後発品を中心とした医薬品の供給不足は、今年も続いています。
厚生労働省の公表によると、10月時点で全体の約14%、2,200品目以上が限定出荷や供給停止の状態にあります。
日本ジェネリック製薬協会は、不足が解消される時期を「2029年度」と試算したうえで、設備投資の前倒しなどにより、できる限り早期の解消を目指す姿勢を示しています。
こうした見立てについて、現場を見てきた立場としては、
「容易ではないが、少しずつ積み重ねていくしかない」
という印象を持っています。
仮に現在の14%の供給不足を業界全体が1つの企業と考えてみました。
現在が既に稼働率100%と仮定すると、14%を解消すればよいのではなく、
余剰が生みだせるところまで、稼働率を下げる必要があるでしょう。
そのためには、生産効率を20〜30%程度引き上げる必要があります。
これは単一の施策で達成できるものではなく、複数の取り組みを重ねていくことが前提になります。
たとえば、
・製造現場の人員体制の見直し
・品質管理・分析部門の処理能力の確保
・生産工程の整理や、自動化の検討
その延長線上で、工程設計の考え方として、湿式処方だけでなく、乾式処方という選択肢が話題に上ることもあります。ただし、いずれにしても、現場ごとの条件や積み上げが重要であり、即効性のある解決策は多くありません。
どの取り組みにおいても共通して関わってくるのが「人」です。
人材の確保、育成、技術の継承。
これらは短期間で解決できるものではなく、特に人口減少が進む日本においては、中長期的な視点が欠かせません。
医薬品の安定供給というと、設備や制度に目が向きがちですが、
それを支えているのは、日々現場でものづくりをしている”人”です。
ススミルコンサルティングでは、原薬のリスクマネジメントを起点に事業を進めてきました。
その中で、安定供給を考えるうえで「人」に関する課題の重要性を、年々強く感じるようになっています。
こうした背景から、声の状態を手がかりに、人や組織のコンディションを捉える取り組み「5Voice.」にも着手しています。
目に見えにくい負荷や変化を早めに捉えることで、現場が持続的に機能する状態を支えたいと考えています。
医薬品を、必要な人に、必要なときに届け続けるために。
供給不足という課題を、業界全体で共有し、静かに、しかし確実に前に進めていく。
そんな視点で、これからも考えていきたいと思います。











