10月、神無月。
この月は「全国の神様が出雲に集まって会議をするため、各地の神様が一時的に不在になる」と伝えられています。出雲では逆に「神在月」と呼ぶのも面白いところです。
神様が一斉に出張してしまう──。
この状況、実はサプライチェーンや組織のリスクと重なるのではないでしょうか。
属人化という“神無月”
多くの業務が特定の人に依存している。
その人が不在になった瞬間に、業務が止まってしまう。
医薬品のサプライチェーンでも同じことが起こり得ます。
特定の担当者だけが知っている調達ルートや交渉の勘所。あるいは、一社に過度に依存した供給体制。これらはすべて“属人化”によるリスクです。
神様が不在になった地域のように、供給や意思決定が滞り、全体の流れが止まってしまうことになります。
平準化とDXで“仕組み化”する
属人化のリスクを解消するには、業務を“仕組み”として整えることが欠かせません。
- 誰が不在でも動くマニュアルやルールの整備
- データ化による情報共有
- DXを活用した業務の標準化・可視化
これらを進めることで、組織は「神様が不在でも動き続けられる」状態になります。
神無月が教えてくれること
神無月という言葉に触れると、「いなくなったら困る存在」に頼り切る危うさを、私たちに思い出させてくれます。
医薬品の安定供給においても、属人化の解消は避けて通れないテーマです。
「誰がいても、仕組みで回る」──その土台を作ることこそ、安定供給の第一歩なのです。
👉 次回は「神在月と垣根を越える対話」。
神様たちが出雲で集まり語り合うように、医薬品業界でも“対話の場”が必要ではないか──そんな視点からお話しします。