スマートポールが照らす“未来の災害対策”──私の記憶と重なる風景

大阪・関西万博の「未来の都市」パビリオン。
そのパビリオンの中に設置された関西電力のスマートポールに、私は目を留めました。

このスマートポールは、
🌬 風力発電やペロブスカイト太陽電池を搭載し
📡 AIカメラによる人流解析、迷子探査
🔋 スマートフォンなどのワイヤレス充電機能
📺 湾曲ディスプレイによる情報発信

──など、街の「多機能ステーション」として進化し続けているものです。

特に印象に残ったのは、
将来的に蓄電池を内蔵することで、災害時の情報提供や避難誘導も担えるようになる、という説明。

これは単なるテクノロジーの進化ではなく、
“あの日”の記憶を持つ者にとっての、希望のかたちでもあります。

私は30年前の1月17日阪神淡路大震災が発災した日、西宮市に住んでいました。
あの朝、神戸や阪神地域がどれほどの被害を受けているか、
“外の情報”がまったく入ってきませんでした。
電気が使えず、テレビもラジオも、ただ沈黙するだけ。車のラジオから情報を得ようという余裕もなかった。

そして、大阪に出て初めて、自分たちが「災害の中心」にいたことを知りました。

だからこそ思うのです。
このスマートポールが各地に設置され、
停電時にも情報を届け、避難を促すような未来が実現したなら──

それは、“命を守るインフラ”になるのだと。

津波が迫る中でのリアルタイムな避難情報、
孤立したエリアへの通信と充電、
多言語での案内やサポート……
今はまだ構想段階でも、その可能性は確実に近づいてきています。

未来の都市、未来のインフラ。
それは最先端の技術が創るものではなく、
「かつて情報が届かなかった経験」から始まるのかもしれません。

スマートポール──電柱のように街の中に溶け込んでいる日が早く来るといいな。