CPHI国際医薬品開発展でのセミナーに向けて、基本的なデータを調べたり、資料を作成しています。
先日、日本において原薬製造国の中心となっている国を中心に人口推移データをまとめました。中国、インド、スペイン、イタリア、韓国、そして日本。比較対象としてアメリカを加えています。これらの人口推移を分析したところ、日本の人口減少が際立っていることが明らかです。日本の人口減少がニュースで取り上げられることも増えていますが、このように他の国と比較することで気付くこともあると思いました。
世界の主要国の人口推移
以下のグラフは、1970年・2023年・2030年の予測人口を示したものです。
データから分かるように、中国とインドは依然として世界の人口大国ですが、特にインドの人口増加が顕著です。一方、日本の人口は減少傾向にあり、2030年にはさらに縮小すると予測されています。
日本の位置付けと驚きの事実
人口の観点から見ると、日本は現在世界12位に位置しています。しかし、経済的な影響力を考慮すると、日本は依然として世界で5〜6番目に強い経済力を持つ国です。この事実には驚きました。人口減少にもかかわらず、日本が世界経済において重要なプレイヤーであり続けているのは、高い技術力と生産性の向上によるものと言えるでしょう。
今後の原薬調達に向けた2つの考え方
この人口動態の変化を踏まえ、日本の医薬品原薬業界が今後取るべき方向性として、以下の2つを考えました。
1)技術革新による生産力向上
人口減少を補うため、製造工程の自動化やAIの活用を推進し、生産効率を高めることが必要でしょう。
2)海外原薬製造企業との関係強化
既に多くの原薬が中国やインドなどの海外メーカーから供給されています。日本の原薬製造所・製薬企業としては、これらの企業と強固なパートナーシップを築き、安定した調達網を確立することが必要となるでしょう。
化学産業において海外からの労働力を積極的に受け入れるには、言語の壁や安全性の確保といった課題があり、慎重な対応が求められます。そのため、海外の優れた技術や生産能力を活用する形での協力関係の構築がより現実的な選択肢となるでしょう。
まとめ
人口動態の変化は、医薬品業界に大きな影響を与えます。日本国内の市場縮小に備え、技術革新を進めると同時に、海外企業との協力を深めることで、持続可能な原薬調達の未来を切り開くことが一層求められていくでしょう。
コメントを残す